電動自転車でいく大阪神社めぐり第二弾。
今回行ったのは、全て大阪市中央区にある。
難波神社以外は名前がなかなかに難読。
御堂筋や中央大通りを走るので、前回行った天王寺区の神社と違って道は平坦。でも電動自転車じゃなかったら行かないかなという距離。
中央区は広い。難波や心斎橋も中央区、大阪城公園も中央区、少彦名神社がある金融街・北浜も中央区。あれもこれもカバーしていて何でもある。
今の中央区は、昔は南区と東区だった。合併して名前も変わった。もう35年くらい経つけどね。24区ある大阪市の区名で方角一字の名前がついているのは「西区」と「北区」だけ。ちなみに私、北浜は北区だと思っていた。南区と東区は私が物心ついたときにはなくなっていたが、今でも旧区名の頃のまま、南警察署や東税務署が存在する。
そんな広い広い中央区の神社巡り。
御堂筋のど真ん中、難波神社
大阪市中央区博労町4-1-3
御堂筋が写るように撮った写真。
大阪にある難波神社と聞けば、電車の各線なんば駅や、高島屋やなんばグランド花月があるあのあたりに建ってそうなイメージかもしれない。
全然違います。
難波神社に行こうと思って、仮に御堂筋線の梅田駅から乗ってなんば駅で降りたら、なかなかに遠い。最寄駅は、心斎橋駅か本町駅。
地元民の私は「難波神社は本町にある」と思っている。本町は衣料の問屋街。会員制の衣料卸売のお店がたくさんある。今でも地名に残ってるけど、問屋が多くて栄えた「船場」の街。
「船場ことば」という、もうなくなりかけている大阪の古くからの商人たちが遣った言葉がある。
始末する!?怖くない?
お命頂戴いたす的な意味ではもちろんなく、「無駄遣いをしない」「お金を大事に使う」「倹約」という感じ。私の父もこの言葉を今も使う。
「お前も、しまつせなあかんぞ」
(お金をくれながら言ったりする)
ケチるというニュアンスもない。昔の船場の商人たちのお金への考え方がそのまま言葉になったようなもの。船場言葉が聞けるドラマは、つい最近亡くなられた志垣太郎さんが主演だった「あかんたれ」。文学作品では、細雪で話される台詞。
大坂城が築城されたときに、今の場所に移されたとのこと。
仁徳天皇を初めて祀った神社だったり、氷の神様だったり、文楽発祥の地と言われていたりする。大昔毎年おばあさんが端午の節句にあやめを持ってきたことから御神門があやめになり、今もその祭りがある……など、我ながらすごい適当な文章だと思う。
ほぼ地元民の私としては、「前を素通りした回数断トツ1位の神社」でもある。一度、長女が小さいときに「氷室祭」と呼ばれる夏祭りに行ったことはあるが、前を通った回数はどの神社よりも多いだろう。
難波神社の御朱印には、御神門であるあやめが描かれている。ご神木もすごい立派。樹齢は400年とも700年とも言われるそうだが、その開き結構デカくない?と思う(笑)ご神木に触れるといいらしいので、手を当てて元気にしてほしいと願ってきた。
難波神社のお守り。結構種類豊富。
難波神社のご利益が「平穏安寧、厄除け、五穀豊穣など、総合運、全体運、諸願成就」と所在地の中央区レベルに幅広く何でもカバーしているので、お守りもたくさん。
外側に絵馬がずらりと並んでいた。入口よりもこの看板のほうがしょっちゅう見る。前を通ってると目に入るのはこれだしね。観光地にドン!と建っていて行きやすい場所だが、「案内記」を読むと境内のあちこちに大阪の歴史を感じられる神社。
すぐ近くに次に書く坐摩神社があったり、日本の仏教の宗派で最も多い浄土真宗の別院(北御堂、南御堂)も近いので、個人的には本町駅から行くのがいいかなと思う。
難読!住所も謎!坐摩神社
大阪市中央区久太郎町4丁目渡辺3号
存在と通称しか知らなかったので、難波神社から地味に迷いながら行きかけたが、ナビアプリを見ると「南御堂の裏」だとわかり、無事到着。
いかすりじんじゃ
が正式な名前。何でも変換するiPhoneでも出なかった。でも、神社も認める通称はそのまま読んだ「ざまじんじゃ、ざまさん」。大阪に70年くらい住んでいるうちの父も正式名称を「ざまじんじゃ」だと思ってたくらい、通称のほうが浸透してるかも。
坐摩神社の鳥居と本殿。
本殿の前は、時期が来ると紫陽花がたくさん咲くそうだ。綺麗だろうな。
鳥居3点セットみたいになっている三ツ鳥居は日本でも数が少なく、珍しいらしい。ただ、私は実家の事実上の初詣先になっている今宮戎神社でも見ているので特に何とも思わず。
読み方の次に珍しいのが住所。
4丁目の後ろに「渡辺」がついている。
そんな住所初めて見た。
知らないだけだろうけど(笑)
そしてこの坐摩神社は、全国各地の「渡辺さん」の苗字発祥の地。渡辺姓の方はぜひ訪ねてみてほしいと思う。
御朱印と授与品。
坐摩神社の御神門は白鷺。
白鷺のお守りもあった。
末社のひとつ、陶器神社。
陶器神社の御朱印もあった。
灯籠が陶器製。
「器と火除けの神様」らしい。
そして、突然のライオン出現。
ライオンの説明、なし。
なんでライオン?
調べてみると、数年前まで近くのビルにあったライオンさん。そのビルが解体されるときに、坐摩神社に奉納されたとのこと。神社にライオンがいきなり登場するインパクトはなかなかのものなので、ビルと一緒に解体されず、坐摩神社に住まいを移したライオンは喜んでいるかも。
あと、上方落語発祥の地らしい。
文楽発祥の地(難波神社)からすぐのところで上方落語が発祥。すごい。
そして、出てすぐそばには、南御堂(浄土真宗大谷派、つまり東本願寺の別院)がある。
目的地、少彦名神社へ
「神農さん」の愛称で親しまれているというがそれも知らず、すくなひこなじんじゃと読むことも知らずにやってきました北浜!
ビルの一階に神社があるようにも見える。二手に分かれた入口を入っていくと…
春琴抄の碑と、神社の中に薬局?!
ここに展示されている家庭薬は、少彦名神社に護られているとのこと。この少彦名神社は「医薬の神様」といわれ、住所の道修町は昔から薬を売っている店が集まっていて、今でも医薬品関係の店舗や企業がいくつもある。
絵馬には「医学部に合格しますように」「医師国家試験合格祈願」「薬剤師国家試験に合格できますように」と医療関係の願いごとが書かれていた。
また、張子の虎発祥の地でもあり、虎(寅)と縁深い神社。あちこちに虎がいる。寅年生まれの私、寅年が終わる寸前にお詣りに行けた。
ここに行ってみようと思ったのは、宮司さんのTwitterを見たのがきっかけ。頻繁に更新されていて、「寅の福銭を授与するのもあと数日」と書いてあるのを見たから。
五円玉にカラフルな紐が結んであって、縁起吉と書かれてあり、寅年の寅の絵が。五円玉を五百円で買った気分に1秒くらいなったりもしたが、新年には卯に変わるので、寅年の私はギリギリ間に合って嬉しかった。財布のICカードを入れるところだと中身が見えるので、早速そこに入れた。
そして、通常の御朱印も書いてもらった。
御朱印はたくさん種類があったが、初めてなので通常のものを選んだ。
少彦名神社の本殿と御神木。
お詣りして、御神木にも触れてきた。
本殿の中にもトラが。そして「新型コロナウイルス退散」と書いてある。鳥居のところから本殿と御神木を見ると、病気治りそうな気がしてくる。
授与品いろいろ。なかなかない安眠のお守りもあった。不眠症の私にピッタリだ。ただ、安眠のお守りは守り袋タイプではなかったのと、いつか泉佐野にある安眠の神社に行ってみたいので、ここではやめておいた。
心身御守が目について「心身を守るっていいな」と思って買った。赤と緑は大きいけどなぜか白だけ小さい。その白を来年のお守りにすることに。今年は生田神社の「肌守」をバッグにつけていた。肌身離さずとまではいかなかったが、厄除守と一緒にいつも持ち歩いた。年明けにそのお守りは生田神社に返して、来年はこの「心身御守」をつけようと思う。
もうひとつ、Twitterで見て気になっていたのが、卯年の大きな守り袋型の御守り。ほのかに香るらしい。飾り台などと一緒に箱入りで頂いたものを出したら、
でかい。
白地に綺麗なうさぎや松、福の字が刺繍されている。とても気に入ったのだが、これは自分に買ったのではない。卯年生まれの父と、父が卯年であることや保育園のときの私の出席番号代わりのマークがうさぎだったことなどからうさぎモチーフが好きな母に買った。この少彦名神社はペットのお守りやおみくじ、絵馬もある。もうこの世にはいないが、我が家に長年いてくれた2匹の愛犬も卯年生まれだった。母は卯年じゃなくてもよく玄関にうさぎの飾り物をしているので、とても喜んでくれた。
父は年だし仕方ないが、ここ数年は病気をしているので、健康の神様である少彦名神社のお守りが守ってくれるといいな。
五社明神と伊勢神宮遥拝所。
ここにお詣りすると伊勢神宮、あと五社に参拝したことになるらしい。便利。
ペット同伴可で、犬連れの人もいた。わんわんみくじとにゃんにゃんみくじ。絵馬もペット用があった。たくさんの絵馬に、長く元気でいてくれますように、病気が治りますようにと願いごとを書いてあった。
そして、神社を出たらトラがいた。とらのお供えの中、少彦名神社と書かれている石の真下…
すみっコぐらしのとかげいた。
これ、何年か前は夏祭りのすくいものでよくあったわ。すくった中からひとつ貰えて棒に挿して持って帰れるやつじゃないかな。子供がここに供えたのかな?可愛いね。さて、見どころがたくさんあった少彦名神社はこれでおしまい。初詣には小さな神社に三が日だけで2万人を超える人が参拝に訪れるという、私が全然知らなかっただけで、大阪では有名な「神農さん」。また行ってみたいと思う。
御霊神社が教えてくれた御朱印
坐摩と書いて「いかすり」、少彦名と難読の神社が続いたので何となく「みたま」とか読みたくなるが、「ごりょうじんじゃ」。
行く前から、少彦名神社から近いとわかっていたので、帰りに寄ってお詣りしてきた。電動自転車だと2分くらいで着いた。
「拝むと肌によい」という肌まもりの木。
手を触れて「肌がきれいになりますように」と思ってみたが、多分もう神頼みではどうにもならないくらい肌は汚い。「きちんとスキンケアや日焼け止め、クレンジングを怠らずにできますように」と頼むべきだった。
木に頼む前に自分でやれよ。
御霊神社の御朱印。
「新型コロナウイルス感染拡大防止の為、御朱印は、和紙でのお渡しとなります」
まだ御朱印帳を持って1週間ほどの私、何となく「手書きの御朱印を集めよう」と思っていたので、何だか少し残念に思った。正直内心、
え?書いて?
と思った。が、書置き御朱印を頂き、家に帰ってから御朱印帳に貼ってみると、特に何も気にならず、むしろ書置き御朱印全然オッケー!最初に書置きの御朱印を貰うことになった御霊神社が、書置きは書置きの良さがあることを教えてくれた。
他の神社でもよくある「通常の御朱印以外は書置きでのお渡しです」とか、年末年始は書置きのみの神社も多いし、御霊神社には感謝している。
初めて行く神社で、手書きと書置きどちらも選べるなら手書きの御朱印をこれからも頂くだろう。あと、御朱印集めの魅力として「同じ神社に参拝しても、書き手の方が違うと御朱印も違うところがいい」という人もいる。
私はあんまりそこは重視しないので、同じ神社へ行ってそこに月替わりや時期などの限定御朱印があれば、書置きの限定御朱印を選ぶと思う。
御霊神社の御朱印はスティックのりで貼ったが、御朱印帳に貼れるホルダー付きで、両面シールになっている書置き御朱印貼付け用シールを買った。書置き御朱印専用の御朱印帳もネットで売っているが、今のところ分けるつもりはない。まだ御朱印帳1冊目だし、日本全国を御朱印巡りするわけでもないしね。
御霊神社にあった石。
獅子…?蛙と言われたら蛙に見えるし、犬と言われたら犬に見えそうなので、獅子なのだろう。
帰りはまた御堂筋を通った。
途中、北御堂の前を通る。
北御堂は、本願寺津村別院の通称。
坐摩神社のそばにある南御堂は東本願寺(浄土真宗大谷派)の別院で、北御堂は西本願寺(浄土真宗本願寺派)の別院。
ここには、墓じまいをした母方親族の永代供養をお願いした。それが今年の夏。ここに眠っている母方の親族で、私が会ったことがあるのは祖父だけ。中には入らなかったけど、祖父のお骨があると思うと、素通りはせず少し止まって、「また来るね」と手を合わせた。
前はなかったhanafruができていた。何年も前にハマっていたparachutesのコールドプレスジュースを発見。2番のcircleがすごく好きで、めちゃくちゃ飲みたくなったけど我慢して帰った。
神社巡り、御堂筋編でした。