久しぶりに長距離サイクリングをした。
(もう何日も前だけど)
私は運転免許を持っているが、私に免許を取らせた父がなぜか頑なに運転させなかった。
じゃあ何で免許取らせた?
父は長年車関係の仕事をしているので、「娘には運転は向いていない」と見抜いたのかもしれない。夫からも「お前の普段の様子を見てたら、運転はしないほうがいいと思う」と言われる。
そんな私の「足」は自転車。
徒歩1分のところでも自転車に乗る。
一昨年、子供乗せ電動自転車を買った。電動自転車は長距離も坂道もラク過ぎて感動した。子供乗せ自転車はタイヤが小さいので、26インチの電動自転車が欲しい。
今日は久しぶりに(私としては)長距離のサイクリングに出かけた話。
懐かしい道を走って。
目的地は森ノ宮。
日常生活では全く縁がない場所。
電車で行くなら、大阪環状線か地下鉄中央線。
中央線はもう5年近く乗ってないので却下。環状線は家のすぐそこからさっと乗れるものの、森ノ宮に行った後にも用事があるし、自転車で行けないかな?と何となくスマホでルート検索をしてみると、「谷町四丁目から約5分」と出てきた。
それなら行ける。
夫が一昨年の秋から昨年の2月まで長期入院していたのが、谷町四丁目にある病院だった。最初はJRと地下鉄を乗り継いで面会に行っていたが、電車に乗るだけで疲れるのと、それなりの交通費もかかる。あと「最寄りの出口」から病院まで歩くのが私の感覚ではものすごく遠かった。
「一度自転車で行ってみよう」と思いつきで行ってみると、自宅から片道40分ほどかかるものの、電車を待ったり乗り換えの駅まで歩いたりするより気楽だった。治療中の夫は、面会に行った私がもし新型コロナウィルスどころか軽い風邪を移してしまっても大変だとのことだったので、人の多い電車よりも自転車のほうがリスクが低いという利点もあった。
久しぶりに当時と同じ道を走ってみて、
この私がよく通ったな…
と心から思った。こんな遠かったのか…
(ちなみに夫は退院し、フォローアップ治療になっているので一応元気です)
大阪を知らない大阪人
夫が入院して、無縁ではなくなった谷町四丁目付近は驚きの連続だった。談話室の大きな窓からは目の前にどーんと大坂城が見える。
大阪城公園は小学生の頃遠足で行ったことがあるが、JR大阪城公園駅で乗り降りしていたからか、谷四に突如出現した大坂城天守閣にビックリした。
ある日の面会前、何か買っていくものはあるかと連絡すると、漫画の最新巻が欲しいというので、近くに書店があるかを携帯で検索した。
Googleは私に、天満橋のジュンク堂書店が近いと親切に教えてくれた。…天満橋?谷四と天満橋って近いの?天満橋には行ったことがあったが、谷四から近いとは全く知らなかった。自転車で行ってみると、
本当に近かった。
谷町付近に限らず、私は基本的にどこでもこんな感じになる。方向音痴だし、東西南北もわからない。小学生の娘が学校の授業で東西南北を習っていて、「それって学校で習うんだ」と驚いた。多分私も大昔に習ったんだろうな、授業を聞いてなかっただけでと思った。どこにいても方角がパッとわかる人、すごい。
娘が持っている社会科の教科書は、「わたしたちの大阪」。3年生になってこの教科書を持ち帰ってきて裏に名前を書いたとき、「社会科って…大阪のことだけ習うの…?」と一瞬思った。今調べてみると、副読本の扱いらしい。社会科のテストを見ると方角や地図記号、公共施設の使い方や役割などを勉強している。
「大阪のことだけ習うの?」などと書いたが、その大阪で生まれ育った私は、大阪のことを何も知らない。地理はまるでダメだが、科目としての社会は苦手ではなかった。
私、小学校で何勉強してた?
勉強なんてしたことなかった…(笑)娘達には、地元大阪のことを含め母と違ってしっかり勉強してもらいたいと思う。
谷四から森ノ宮を目指す
話は戻って、見慣れたけれど久しぶりの谷四交差点。病院に行くときは直進するが、森ノ宮へのルートでは曲がれと表示された。これ、着くのか?とたまに信号待ちでマップを確認しつつ自転車を走らせると数分で着いた。
この時点ですごい疲労感…
自宅→西成区萩ノ茶屋にある有名なホルモン焼き屋さん(しかも臨時休業)→堺筋を戻って四天王寺を見ながら谷九、谷六、谷四と走り、やっと森ノ宮。森ノ宮は環状線に乗って行っても「遠いな…」と思うくらいの場所なのに、私自転車で来た!!(電動だけど)
ホルモン焼き屋さんに行くときも、着いてみると私が思っていたのとは全然違う場所だった。大昔にあの辺りに祖父と行った記憶があったし、当然地名も知っていたのに、「あのへんのことかな?」と何気なく思っていたところとは全然違った。…私はこういうことが本当に本当によくある。
もりのみやキューズモール
やっと着いた。オープンしてから数年経つが初めて行った。少し買い物をして、疲れたのでフードコートでお茶を飲んで休憩。
もりのみやキューズモールのキャラクターは黄緑色の「モリスペクター」。キャラ設定によると26歳男性で森ノ宮をリスペクトしているらしい。
フードコートの前には子供達が遊べるスペースが。遊具はもっとあったが、遊んでいる子供達が写ってしまうのでこれだけを撮影。絵本などを読めるお店もあって、近々大阪城公園に家族で行くときに寄ってみようと思っている。
着いたときはまだ明るかったが、すっかり暗くなっていた。
さて、森ノ宮から目指すのは阿倍野方面。そんな道は一度も自転車で走ったことはない。気がついたら暗いし、帰れるのかと一瞬不安になった。
自転車で通れる道のナビアプリは、ルートの線が地図上に出るのとおおよその所要時間を見られる以外は有料なので登録せずに無料の機能しか使っていない。それを見てみると、ほぼ一本道。
こっち方向に一本道ねオッケー!…と走っていると、「大阪女学院」の前を通過。中学の頃、英検の会場になったので父に車で送ってもらったことがある。母は私を大阪女学院に入学させたかったそうだが、高校受験の話にも書いたように父が「絶対に公立中、公立高!」と主張したため、別の学校に入った。
夕方を過ぎて暗かったけれどとても綺麗な校舎で、部活か勉強をしていたお嬢さん達が下校していた。中学生時代の私は、英検を受けに行ったとき「こんなお嬢様学校に受かるはずも馴染めるはずもないわ、遠いし…」と思った記憶がある。
森ノ宮から電動自転車だと近いだけで、多分駅からだとそれなりに遠いかな。実家から森ノ宮駅よりだいぶ近く、駅から徒歩5分もかからない高校でもほぼ毎日遅刻していた私は行かなくて正解のようだった。
綺麗な公園や一軒家、マンション、お店…いいところだなぁと自転車を走らせていたものの。
で、ここ…どこ?
また制服を着た学生さんがたくさん出てくるところに遭遇。名門・高津高校の前を通った。高津高校は旧第5学区のトップ校。今は撤廃されたけど、あの学区編成は謎だった。
私は旧第6学区。天王寺高校がある学区だった。学校の数がすごく少ない上に、天高はかなりの学力、住吉高校もそれなり以上の力がないと入れない。真ん中あたり…となると阪南高校、阿倍野高校に集中。第5学区の高津高校や清水谷高校、夕陽丘高校、第3学区の高校のほうが近かった。
(こんなことを書いている私は専門学科の高校に行ったため、学区制は一切関係なかった。)
高津高校あたりで見つけた地名。
ローマ字表記でわかったが、えさしまち。
「えさ」とか「えささ」と読みそう。
大阪も難読地名が結構たくさんある。
こちらは、「おばせちょう」。
「まち」と「ちょう」は仕方ないにしても、初見では読めない(笑)鶴橋あたりに小橋という地名があるのは知っていたが、読みまでは知らなかった。
あれこれ考えていると、「味原本町」という地名が。味原って、鶴橋駅からすぐのところよね。鶴橋……?環状線の駅で考えれば、森ノ宮から鶴橋を通ってもおかしくないが、自転車でぼーっと道なりに走っていて突然の鶴橋出現にビックリ。
多分、鶴橋であろうと私が思っている場所。細工谷の交差点から撮ったかな?忘れた。
ちょっと大きな交差点(細工谷)に出ると、今度は「聖バルナバ病院」を発見。長女を妊娠したとき、健診や出産で通おうかなと思ってやめた病院。マタニティクラスがとても充実していて、院内のレストランも美味しそうで、鶴橋から送迎バスもある。
かなり前向きに検討したが「鶴橋からバスか、遠いかなぁ…あと個室にすると入院費用すごいな…」とやめて別の病院にかかり、そこからまた転院し、娘二人は兵庫県西宮市の病院で生まれた。
鶴橋が遠いとは…??
娘達の「出生地だった かもしれない 病院」という何の縁もないところの写真を、わざわざ道の反対側に渡って撮った。
その後、まだまだ道なりに走った。
また学校を見つけた。ん?この学校、見たことある。それも何度も。校名を見ると夕陽丘高校だった。つまり、私が通った高校の近くだ。ここなら、ちょっといけば母校を見て帰ることもできる。一瞬寄り道してみようかと考えたが、迷ったら嫌なのでやめた。
この道をどちらかに行けば、多分母校が見られたと思う。場所は変わっていないが、校舎は建て替えられて、校名も変わった。
そして気がついたら寺田町。
興国高校のクリスマスツリーとハートがとても綺麗だった。寺田町まで来たということは、もう駅でいえば次が天王寺。目的地は近い。
あべのハルカスが見えた。もしいつまで走ってもこの超高層ビルが見えなかったら道を間違えているということだ。さすがに寺田町を通ったのでもう大丈夫だとはわかってたけど。
天王寺のデニーズ。ここをまっすぐ行けば、JR天王寺駅の北口だ。もうナビはいらない。自転車ナビのルートでは河合塾を曲がれと言っていたが無視。
あべのキューズモールに到着。
目的地の少し手前なので寄った。
出発したのは「もりのみやキューズモール」。
阿倍野と森ノ宮は遠くはないが、自転車でもりのみや・あべの両キューズモールをハシゴする人はあまりいないと思う。
というわけで、浪速区・西成区・中央区・天王寺区・阿倍野区を走ったサイクリング終了。大阪城、あべのハルカス、通天閣、四天王寺を全部すぐそばで見た。もうサイクリングどころか大阪観光である。
そこまでして、
一体何をしに行ったのかというと…
ポイントカード作りに行った。
それなら近いあべのキューズモールで作れるのでは?ということだが、左の薄ピンクのカード、あべのキューズモールのインフォメーションカウンターでは在庫切れ。もともと持っていたのだが、全然使わなくて失効してしまった。最近になって毎日のようにキューズモールに行くのに、ポイントカードがないのはもったいないと思ったのだ。
何色でもよくない?
…私はこういうところにものすごくこだわるので、このピンクじゃないと嫌だった。どうでもいいが「ラ・ミノール」はみのおキューズモールのキャラクターだ。せっかくなので、ニトリデコホームとかセリアとか、買い物もしてきたけどね。
(種類はこんなに↑豊富)
私がこれしか嫌だと森ノ宮まで作りに行ったピンクのキャラはパリ・モンマルトル出身の21歳らしい。15歳年下のパリジェンヌと…最後の一文にだけ共通点が。
「実はひどい方向音痴」
何だか愛着が増した(笑)
夫には、もりのみやキューズモールのキャラクターのカードを作ってもらった。夫は私と違って、あべのキューズモールのフードコートでカツ丼を食べるときくらいしか使わないと思うけど。
ポイントカードを作ってすぐにポイント5倍期間が始まったので作ってよかった。
「ポイントカードを作りに行った」のも理由だが、体調がよく、ただ気が向いたから行っただけの楽しいサイクリングだった。
昔とは別の場所、天王寺
高校生の頃は、学校の帰りに寄る場所といえば天王寺だった。今はあべのハルカスやキューズモール、その他商業施設がたくさんあり、天王寺公園は「てんしば」の愛称で親しまれるようになった。
昔は…天王寺ミオ、あべのルシアス、あべのアポロくらいしかなかったような。高校生が入れるお店もマクドナルドとか。TSUTAYAのあたりにあたったような。JR・地下鉄天王寺駅、近鉄阿部野橋駅周辺で何をしていたんだろう?
今はあべのキューズモールのフードコートには学生さんがたくさん。塾や部活帰りなのか、楽しそうに友達同士で食事をしている。地下に行けばファストフードやデザートのお店も充実。梅田、難波にボロ負けの場所ではなくなった。
昔よく行ったのが、通称「ごちビル」の2階か3階にあったパスタ屋さん。オムライスの北極星もあったなぁ。懐かしい。電動自転車を持っていなかった頃は、自転車で天王寺に行くことなどほぼなかったけど。
街並みはどんどん変わっていくのだなと、自転車で走りながら思った。ドンキまでできてるしね。
家族で大阪城公園へ行こう!
夫が手術を受けることになったとき、面会時間の前に大阪城公園内にある「豊國神社」へ行った。
豊國神社には、豊臣秀吉(秀頼、秀長も)が祀られている。天下人・関白にまで出世した秀吉にあやかろうと、出世開運や仕事成就を願って来る人が多い。私は、「夫の出世は期待しないので、命は助けてやってほしい」とお願いして、病気平癒守を買った。
入院中はたくさんの人が夫を心配してお守りを持ってきてくれた。面会時間も短く、1日にひとりしか面会できない中、ありがたいことだなと思った。夫のベッドにつけたS字フックに、お守りをたくさん吊り下げてあった。
私が豊國神社で買ったお守りをいまだに返せていないのと、日曜日に家族で少し出かけるのもいいかな?と近々大阪城公園へ行ってみようと思っている。
森ノ宮から行くルートだと、私が自転車で行ったキューズモールや公園内の子供の遊び場などが近いらしい。さすがに、電車で行くけどね。
体調がいい日なら少しは外に出られるけれど、大抵は家で寝てる私。夏は無理だけど、真冬は平気なので、またどこか「少しだけ遠出の」サイクリングもしてみたいと思う。
そんな、お話。