朝ドラを久々に見ている。
朝に見てもいなければ、毎日見てもいない。
NHKプラスの配信で1週間分まとめて見る。
離脱する人も多い、今季朝ドラ。
ここまで来たら、見届けたい!!
ちむどんどんしない
NHK朝の連続テレビ小説、2022年前期の舞台は沖縄!1972年の本土復帰から50年を記念して制作された作品。
正直現時点でおもしろくない。
まあ、私がちょっとかそれ以上変わった人間で、『この後どうなるの?どうなるの?』と思いながら映像作品を楽しむことができないから…というのもあるとは思う。
けど、Twitterを見ると何か安心するほどなかなかにボロ貶しにされているので、『まだヒロインが新生活に飛び込んだばかりですよ、見逃し配信もタダで見られるからオススメですよ』とは言えない。
これからおもしろくなるのか、どんなキャストが登場するのか、まだわからない。最終回を迎える頃にはベタ褒めしてるかもしれないし、再来週くらいに離脱しているかもしれない。
朝ドラのヒロインとは
朝ドラのヒロインは、どんな苦労をしても窮地に立たされても誰かが助けてくれたりして最終的には幸せになります。
広瀬すずがヒロインを演じた『なつぞら』なんて、ヒロインだけそこまで上手くいく?と思うほどだったし、吉沢亮が演じた天陽くんは死後に自画像から出てきてまで、自分と結ばれなかったヒロインのなつを励ましてた。
だからこそ、ヒロインなのかなと思う。
設定が謎すぎるドン!
「ちむどんどん」のヒロインは黒島結菜さん演じる比嘉暢子。沖縄本島北部の
山原村(やんばるそん)出身
まずこの山原村という、ありそうな村、
ないんです。架空。
架空の村か…アニメとかだとわかるけど。やんばる出身という設定にしたのは、世界自然遺産に認定されたことが関係していると思う。昨年ユネスコの世界遺産に認定されたのは、
奄美大島と徳之島は鹿児島県。沖縄県の本土復帰50年記念のドラマに奄美大島と徳之島は使えない。じゃあ、西表島は?
残念ながら舞台にするのは難しいと思う。それは…21年前に同じく沖縄を描いた朝ドラ『ちゅらさん』のロケ地、ヒロインの生まれ故郷になった小浜島が西表島と同じ八重山諸島。
さすがに離島、かつ同じ八重山は…となる。そして、島自体がコンパクトでスタッフが宿泊できる大型リゾート施設が21年前すでにあった小浜島に対して、西表島は沖縄の離島の中で本島に次ぐ面積の広い島。
ということで、『やんばる』と呼ばれる沖縄本島北部が選ばれたのかな。
暢子は食べることが大好き、世界中の美味しいものを食べたい、そして身体能力の高い女の子。子役はどの子も可愛かった!
ちゅらさんの子役もとてもいい演技をして、桟橋から「ミンサー織りのねぇー、五つと四つはねぇー!いつの世までも一緒にっていう意味さぁー!いつかぁー大人になったらー必ずー結婚しようねえー!」は朝から日本中の涙を誘っただろう。
だが、翌週には那覇に引っ越し、小学生が高校生になったくらいでそんなに顔つき変わる?とビックリするほど国仲涼子には似ていなかった。ちむどんどんの暢子ら四兄妹は、大人になってもまあまあ自然に受け入れられる子達が演じた。
…現時点で、褒めるポイントこれくらい。
放送開始前から、「父を亡くす」ことはあらすじとして発表されていたので、大森南朋演じるお父ちゃんはすぐ退場とわかっていた。
お父ちゃんが亡くなる前から借金があって普通に貧乏だった比嘉家は、サトウキビ栽培の他に那覇への出稼ぎにも行っていた大黒柱を失い、ますますヤバいことになる。
「おじさん」が意地悪みたいな描かれ方をするが、おじさんだって楽な生活をしているわけではなく、お金を貸した側として当然のことを言っている。おじさんはお父ちゃんの叔父で、お父ちゃんが銀行から借りた500ドルの保証人。度々貸してくれるだけありがたいし、長男の賢秀が詐欺に遭ったときに厳しいことを言うが、ド正論でしかなかった。
現時点で全出演者中この人がいちばん謎なんじゃないかと思うのが、
お母ちゃん(仲間由紀恵)
困っている人を見たら放っておけないお人好しの優しい母として描かれているが、途中からこの人まあまあやり手なんじゃないかとまで思えてくる。確かに、子供のためにボロボロになるまで働いて働いて、苦労している。でも、
謝ったりお願いすれば済む
と思ってるんじゃないか?という言動をする。お父ちゃんが亡くなったとき、借金返済のために男性に混じって働くが、それ以外の具体的な借金返済や生活の安定に繋がるようなことは拒否。
何十年も前じゃなくても、借金返済や生活のために家土地を手放すことはあるよね…
そこまで?と思うほどの極貧生活。給食費は払えず、運動会のためのズック靴や長女の体操着も買えない。ついには、「東京の親戚」が四人の子のひとりを預かると言ってくれて子供一人を手放しかけるほどまで…
いつもは1ドルの日当を、沖縄出身枠で登場したダチョウ倶楽部の肥後リーダーが「子供は何人?うちは五人だよ」とリーダー家のほうが一人多いにも関わらず3ドル貰い、お母ちゃんは息子のズック靴と長女の体操着を買う。が、それをなぜか息子の賢秀が(食用に育てていた)豚の小屋に置いてあってぐちゃぐちゃにされてしまい、結局息子は裸足で徒競走に出て、長女はお下がりでボロい体操着で運動会出場。
いや、その演出、いる?
『新しいものが買えなくても家族仲良く心豊かです』なら、最初から買えなくてよかったと思う。肥後現場監督の心遣いは無駄になり、悪いのはブタでしたどうしようもないですねなんて、いる?
手放されかけるのは当然暢子なわけだが、ジャストサイズのファミリアチェック的なワンピースを着た暢子が声を上げてバスを停車させ『みんなで幸せになろうね!』何も諦めなかったお母ちゃんの勝利の瞬間。
結局何も変わらないまま、七年経って子役から本役にバトンタッチ。
借金地獄はどうなった?!
七年後。
『暢子と妹の歌子は綺麗な制服を着た高校生、姉の良子は那覇の短大を出て幼い頃からの夢だった小学校教員、兄の賢秀は相変わらずフラフラしている、母の優子は共同売店で働き、家で内職もしている』
学費とかどこから出てきた?
それは結局語られず、普通に貧乏なまま。家のことは四兄妹で分担しているが暢子が料理担当以外特に描かれない。身体能力高い設定は継続し、陸上部のキャプテンと競争して毎回勝つ。卒業の日に『もうインチキしないと勝てない』と言っていた。東京へ行って高い身体能力を発揮するかはまだわからない。
その料理も、基本的に一品。
今週は家族全員で炒め物だけとか、雑炊だけとか、一発逆転で借金を完済して翌日は東京へ向かうという日も、お茶碗よりちょっと大きいくらいの器に入った沖縄そばを食べていた。
胃が小さくなったのかな…
それだと食べるのが大好き、美味しいもの大好きのヒロインが少食ということになってしまう。
似ている!!(柴田サン)
ちゅらさんに登場した柴田さんが、「似ている!!」と言ってベラベラ喋るのがお決まりだったが、20年越しの皮肉なのかなと思うほど、ちゅらさんと酷似しているところが多い。
- 子役時代に誰か東京から来て交流
- 子役時代に誰かが死ぬ
- ヒロインの兄は家の厄介者
- 高校卒業後はとりあえず東京
- 東京で飲食店に勤める
- 方言指導+東京で飲食店経営が同じ人
- ヒロイン高校時代に具志堅用高が出る
ちゅらさんでは、子役時代は小浜島で過ごす。あの家もどうやって生活しているのかわからない感はあったが、ほぼ誰も来ない民宿(ていうか家)に東京からのお客さん、上村一家が滞在。
上村家には息子が二人。兄が和也、弟が文也。和也は最初から病気で、小浜島で亡くなる。その和也が恵里と文也に「お前達、結婚しろよ」と言ったことから、子役時代に結婚の約束をする。その割に再会するまでに結構かかった上、文也には彼女がいた。
ちむどんどんでは、子役時代、山原村に東京から来た文化人類学者の父親と息子が三ヶ月間滞在し、家族ぐるみでお付き合い。亡くなるのは他人だったちゅらさんに対し、暢子の父。東京の親戚のところへ行くことになりかけた暢子は、東京へ戻る青柳父子と一緒にバスに乗り込んだ。降りたけど。もう次回予告に出ていたが、青柳和彦(息子)とあっさり再会するようだ。
東京に行くところ、飲食店に勤務するところも似ているが、これはまだ放送されていないので比較できないが、両ドラマで沖縄ことば指導を担当し、出演もした藤木勇人のもとで働くところまで同じ。
ちゅらさんの恵里は、大学受験で東京を目指すが不合格。それでも東京へ行きたいと、家族全員にモロバレの家出をする。家出に気づいていた恵里の母は、恵里や恵里の父と偶然出会っていた容子さんに連絡を取り、家出の荷物の中に現金と手紙を入れ、容子さんを訪ねるようにと家出先を指定。家出ではあったものの、後見人がいるようなもので、容子が住んでいたアパートに住む。
ちむどんどんの暢子は…あとで触れる兄の賢秀のところへ行くのだろうか?東京に行く以外の情報がないまま、母・姉・妹が最寄りのバス停まで手ぶらで見送りに行っていた。
- 東京でプロボクサーになった兄
- (子供一人預かるよと申し出た)親戚
- 全く連絡を取っていない青柳親子
- 親友で東京の大学に進学した早苗
ツテらしいツテはこれくらい。
東京行きを反対していたおじさんの台詞に、東京へ行く片道の費用もない、下宿をするなら保証金もいると言われているが、またもやおじさん夫妻の世話になったのだろうか。お母ちゃんは、お金がどこにもない状況になっても「暢子を東京に行かせてやってください!あんたが諦めてもうちは諦めんよ!!」と土下座までして言っていたが、あれも、おじさんに追加借金をする前提で言っていたのだろうか?
高校時代に具志堅用高が登場はオマケみたいなものだが、ちゅらさんでは甲子園まであと一歩と迫った恵里の母校、那覇北高校野球部の関係者として出てきた。ちむどんどんでは、兄がプロボクサーになったため、具志堅さんもボクシング関係者として出演。
沖縄の長男の描き方の謎
ちゅらさんでは、家族に迷惑をかけつつもここぞというときは親や弟妹を思いやり、視聴者に嫌われるようなこともなかった恵尚ニイニイをゴリが演じた。
何度となく家のお金を持ち逃げ、思いつきで作ったゴーヤーマンが全く売れずに在庫を抱えることになったが、現実世界ではバカ売れのお土産物になった。定職に就かず、フラフラしていてどこにいるのかわからない種違いの兄だった。
ちむどんどんの暢子にも兄、賢秀がいる。名前がネタかと思うほどのアホ。ただ、見ていて本気でイライラするほど、家族に迷惑をかけっぱなし。「長男だ!」と威張るくせに何もせず、人を殴っても行きつけのお店を破壊しまくっても、俺は悪くないと謝りもしない。
ちむどんどんの家族のほうが、家族で唯一の男手となった賢秀がしっかりするしかないのに、朝ドラに誰かはこういうフラフラしている役が必要なのか何なのか、やっと妹に謝ったかと思っても、
何その言い分?
としか思えないようなことを言う。暢子の就職内定先の息子を殴ったときも、親戚一同から借りたという1000ドルを詐欺師に騙し取られてキレて酒に酔い、行きつけのお店で破壊行為に及んだときも、謎すぎるお母ちゃんが代わりに謝りに行って終わり。
謝ったら死ぬのかと思うほど謝れない、謝らない人は現実世界にも存在するが、ああなったのはどう考えてもお母ちゃんの影響だろう。
…ちょっと待った。
誰が聞いてもそりゃ詐欺だろという話を信じて、親戚中から1000ドルをかき集めたという賢秀。
親戚、いたの?
おじさん夫婦以外にいたんだ…
それも、ほぼ返済能力がないことをわかっていて貸してくれる親戚がいたのね。それなら、子供時代の極貧生活のときに身のまわりのこととか給食費やら体操着くらい、その親戚が助けるなり貸してくれたんじゃないの?
恵尚(けいしょう)と賢秀(けんしゅう)で名前も似ている二人、もう焼き直しですよね?というほど同じようなことをする。西洋料理をやりたい!東京でコックさんになりたい!と高校生でやりたいことを見つけた暢子に対して、ちゅらさんの恵里は上京後、看護婦(当時はまだ看護婦)になる!と目標が決まる。
が、両者ともに金がない。
そのときにこれまで迷惑をかけ続けたニイニイが、何の前触れもなく超絶グッドタイミング、妹のここ一番のときに大金を送ってくるのだ。
一緒やん、全く一緒。
ちゅらさんの和也、ちむどんどんのお父ちゃんはそれぞれ小学校の授業時間に危篤に陥ったため、報せを受けた恵里や暢子らは学校から家に向かって必死に走る。あのシーンも『一緒やん…』てなったが、人の死に目は仕方ない。そりゃ走って帰って間に合うかどうか…は描かれるだろう。
恵尚は恵里の看護大学の費用を、賢秀は今までの借金全部返せて暢子の東京行き費用を出してもお釣りが出る大金を送ってくる。
家族一同大感激!
恵里の学費をニーニーが工面したときは、語りとおばあ役で出演した平良とみさん(誰もが認めるちゅらさんの助演女優賞だろう)が、『恵尚が…初めて、古波蔵家の役に立ったねえ…』と泣いて喜ぶシーンがあった。
ちむどんどんの賢秀は、
もうあまりの酷さに、
一回大金を送ってきたくらいで、
お前のしたことは帳消しにならんよ…
みたいなキャラ。今のところ。
ちゅらさんと比べられても、同じNHKで同じ朝ドラでことば指導も同じ藤木勇人。製作陣としては『懐かしくない?この感じ』くらいなのかな。
嫌ならなぜそこで歌う?歌子
ヒロインのキャラクター設定すらあやふやで謎の多いちむどんどん、その他登場人物も何となく、設定からズレたような人が多い。
暢子の兄はもういいとして、真面目で賢くて父との約束を守って教師になった姉の良子もまあ置いといて。
妹の歌子。名前の通り、歌が好きで、体が弱く、視聴者時間で言うと毎週高熱を出して、引っ込み思案。人前に出るのは苦手。小さい頃はお父ちゃんの三線に合わせて歌っていた。
高校生になった歌子は、誰もいない音楽室で歌を歌う。これに目をつけたのが、音楽教師の下地響子先生。歌子の才能を見出し、トムとジェリーのような追い回し合いをするのだが…
本当に人前が苦手で、人と話すのも苦手で、音楽の先生に追い回されるのも嫌なら、絶対にまた下地先生が来るであろう音楽室でわざわざ歌う?
ピアノの練習をしにきた子に話しかけられても、声も出さずに頷くばかり。なぜ毎回音楽室に行くのか。下地先生との追いかけ合いもよくわからない。1年生の歌子は高校の授業でまだ音楽がないのか、芸術科目が選択式なら書道でも選んだのか、先生も先生でいちいち音楽室に行かなくても、「比嘉歌子!!」と顔も名前も知っているのだから、普通に職員室か音楽室にでも呼び出せばいいのでは?さっさと下地先生と歌子が出会っても歌を教えてもらっても、その後に何の影響もないと思うけど…
賢秀がキレて店をめちゃくちゃにしたハンバーガー店に居合わせた下地先生。多分ケチャップだが頭から流血。音楽を汚した賢秀を告訴する!賢秀に足を怪我させられた!と言い出す。
警官とともにやってきた賢秀の家には、妹の歌子が。告訴するとまで言っていたが、歌子がどんなに間違えてもいいから歌えば許す…と。
ハァ?
歌子は、お父ちゃんとよく歌っていた「椰子の実」を歌い、無事賢秀は許される。下地先生は、『私はあなたに音楽を教えるために音楽教師になった!』みたいなことを言い出す。
やっとここから、追い回し合いが終わり、歌子は卒業まで下地先生の指導を受けるのかと思ったら…
私、石垣島の高校に移動になったの
え?片桐はいり退場?!
まあ…暢子が東京に行くから、歌子ら沖縄メンバーの登場は一旦減るのかもしれないが。追い回し続けた暢子に、『あなたにいろんなことを言う人がこの先いるだろうけど、そんなことは一切気にせず、自分の思うままに生きなさい。歌いたい歌を歌いなさい。いつどんなときも歌をやめてはいけない、たとえ聞いてくれる人が一人だったとしても』と伝える。
これまで、逃げる歌子と追う下地しか見てないのに、突然そんな人生の教訓とか説かれても…
どう受け取ればよいのか?
これ歌ってみてと封筒入りの譜面を渡すと、歌子が知っているという芭蕉布。お父ちゃんから沖縄民謡も教わってきたという設定の歌子、ほぼ翼をくださいを歌い続けていて沖縄民謡は歌っていなかったけど。
下地先生が三線を出して、三線もできるんですね!と驚く歌子。それまでずーっと標準語だった下地先生、そこだけなぜか沖縄アクセントで喋り、あー下地って苗字だし沖縄の人だったのね…石垣島の高校で第二の歌子を見つけてくださいお元気で。
結局、下地先生の前で歌ったのは、賢秀を許すために家の前で歌った椰子の実と、先生の三線に合わせて沖縄の歌らしさ皆無で歌った芭蕉布だけだった。
今後歌子も大人になっていくが、ジョンカビラの語りで『歌子は音大の声楽科に進学しました』とか言われても別に驚かないくらい何もかもいきなりだった。
ニュースで見かけたツッコミによると、歌子のテーマソングのようになっていた「翼をください」は、1971年に竹田の子守唄のB面としてリリース。歌子が高1のときはちょうど1971年度。ヒットしたのは少し後、家にラジオもない。…まだ歌子は翼をくださいを知らないのでは?というもの。
えぇ…?
優しい?サイコパス?お母ちゃん
最近の朝ドラを見て驚くことといえば、私達の世代だとドラマで主演をつとめるような人達が、ヒロインの親役になっていること。
仲間由紀恵も、心優しいお母ちゃんとして登場。自分も苦しくても、困っている人を放っておけず、夕食を全部豆腐屋さんの親子にあげたり、夫を亡くしてからは道で倒れ込みかけても働いて、お父ちゃん手づくりの家、お父ちゃんの畑、子供何一つ諦めなかったお母ちゃん。
そして賢秀にゲロ甘。
暢子が就職予定だった会社の社長の息子を殴っておいて俺は悪くない!と謝りに行かない賢秀。確かに、社長息子は暢子にもおばあさんにも失礼な言動をした。それでも、賢秀に非がないとお母ちゃんが本気で思っていたとすれば、親としてヤバい。
時代が時代なので、長男贔屓は今よりもあったのかもしれないが、お母ちゃんは賢秀を説得せず、殴ってもないむしろ内定取消の被害をこうむった暢子に謝罪に行かせる。
なんでやねん…
一人で謝罪に行ったときに聞いた話で思っていた仕事と違ったことや、社長息子と偶然会ったときに言われた言葉から結局暢子も掴みかかろうとしてしまい、暢子の就職はなかったことに。それでも賢秀を信じ続け、庇い続けるお母ちゃん。
良子は教師になり、多分あの描き方では給料のほとんどを家に入れていたのだろう。服も買えず、勉強会仲間のポッピーピポパポ…里美にマウントを取られてしまう。想いを寄せている相手も行くパーティーのため、良子は給料からワンピースや靴を買っておしゃれをして参加。
(ヒロインでもいいほど可愛い)
貧しさを恥じたと謝る良子
何か、このときのお母ちゃんの反応が薄い気がする。うんうん、と微笑んで頷いていたような。もう忘れたが。『いいんだよ、良子』とかお金を入れてくれていることへの感謝は口にしていたが、体操着が買えなかった小学生時代とほぼ変わらないままの良子に、もう少し母として寄り添ってあげてほしかったな。
『良子が稼いできたお金なんだから、良子が好きなことに使っていいんだよ。この服、とても良子に似合うね、良子は若くてとても綺麗な時期なんだから、これからも自分のものを、誰に遠慮せず買っておしゃれしてね』
とかこれくらい言ってほしかった。良子の言葉をそのまま嬉しそうに聞いていたら、良子はいつおしゃれするのだろう?お金に余裕ができて返済がなくなった来週からも、良子の服装はあのままなのか…?
暢子のために給料を前借りして、使う必要がなくなった300ドルも『自分のためではなく家族のために使う、それが私』と言っていた良子。新聞にまで兄の活躍が載ったのだから、前借りの必要がなくなりましたと、校長先生に返してはどうか?と思った。
お母ちゃんが300ドルを用意してきておじさん夫妻に土下座プレイをかますのだが『せめて600ドルあればねぇ…』
もうあると知ってるかのような
感じね。良子の300ドルを足せば600ドル。あのシーンみたいな取ってつけた感がとにかく随所に散りばめられているちむどんどん。
それにしてもお母ちゃん…大金を詐欺られ、川ちゃんマスターを殴り、川ちゃんハンバーガー店をめちゃくちゃにしておいて謝りもしない賢秀のことは、『優しくていい子なんです』と庇うのに…娘のことは結構どうでもいい感じ??
ゲロ甘に育てた賢秀は大金を詐欺られても、
『俺のことを嘘つきとか何とか馬鹿にしてきた大人を見返したかった。初めて俺を褒めてくれた人を信じたかった』
お母ちゃんが褒めて認めて育ってきた結果↑
優しい虐待?
金借りる名人?
謝ってお願いすればOK?
お母ちゃんと賢秀は、本質的にはよく似ているのかもしれない。
ちゅらさんにはあったもの
ちゅらさんは全国的に大ヒットしたし、このタイミングで総集編再放送はちむどんどんに悪影響では?とまで思うが、それぞれのキャラクターがしっかりしていた。
よかったのが、沖縄の舞台などで長年活躍してきた平良とみさんの語りと演技。そして「おばあは電話が鳴ることを予知できる」とか「容子さんはよく転ぶ、食事中に電話が鳴る」「真理亜さんは絵に描いたようなツンデレ」「ニイニイの友人の島袋さんは間が悪い」といった、ブレないキャラクターの軸があった。
全員で盗み聞きしてて話の決着がついたときにコケて盗み聞きがバレるといった吉本新喜劇的なお決まり芸もよく出てきたが、今のちむどんどんでは誰がそれをやってもイラつくだけだろう。
平良とみさんはちゅらさんより前に出演した映画で名前が売れたとはいえ、朝ドラに出てきたら誰?でしかなかった。それでも、あの役と語りができたのは、彼女の他にいなかったと思う。長年培ってきたしっかりとした演技の力もあり、沖縄のことばもとても自然。
別におばあさん、おじいさんでなくてもいいから、しっかりとしたキャラを持ち、沖縄を感じさせ、コミカルな場面にも泣ける場面にも話のオチにも登場させられる人が、ちむどんどんにも…
これから出てくるといいね。
ここまで比較してきたが、ちむどんどんの暢子は、沖縄が本土復帰した1972年の5月15日に沖縄から東京に旅立っているが、ちゅらさんの恵里はその日に生まれたということになっている。
そのため、時代が違う。
東京に出てからの時代が今から50年前ということを頭に入れて見ていこうと思う。