ちむどんどん、NHKプラスの見逃し配信で見続けている。毎週「あ、やばいやばい配信が終わる」とソシャゲのイベント終了前にちょっと焦るくらいのテンションで見て、ついに第12、13週は15分のダイジェスト版だけを見た。
それでもまだ完全離脱はせずに見続けている。確か、前の「ちむがどんどんしない話」を書いた頃は、迷惑をかけっぱなしの兄が現実的にありえない話でお金を儲けて、上京の夢が破れかけたヒロインの「コックさんになる!!」という目標に近づけたところまでだったと思う。
ヒロインが結婚を決めるところは、朝ドラの大きな一区切りでもあるので、この辺りで書いてみることにした。
貶してばかりではダメなので
この配役はいいな、と思うところなど、イイネポイントを先に書くことにする。鶴見の沖縄県人会会長役の片岡鶴太郎さん。顔も濃い目だし、また堺正章みたいな方言を喋るのかと思ったが…
両親は沖縄の人だが、三郎さん(役名)本人は沖縄二世で、鶴見で育ったという設定。不自然な喋り方ではなく、会長だからと威張り散らかす役でもなく、この設定はとてもよかったと思う。
新聞社の上司、田良島さん(山中崇)もいい役だと思う。暢子の導き役が大叔母オーナーなら、和彦の導き役をしてくれている。まあ、田良島のバックにも房子あり、だけど。
他…他…なんかあったっけな?
思い出したら書くわ……
暢子、コネまみれの就職
東京の大学に進学した友人の早苗と一緒に、暢子(黒島結菜)は銀座のイタリアンレストラン「アッラ・フォンターナ」で食事をする。で、上に書いた沖縄県人会会長の三郎さんに下宿先を紹介してもらい、何とその「アッラ・フォンターナ」のオーナーへの紹介状まで書いてもらう。
毎回のようにクビをチラつかされ、サラダ作ってみてとか10連勤で来いとか色々ありながらも、実はこのお店のオーナー、暢子の大叔母さんでした!というオチ。
どのコネもなかったら絶対無理な就職だった。
そして、「比嘉さんって呼ばずに暢子と呼んでほしい」「オーナーは料理もしてないのに偉そうです」とか、やっと賄い当番を任されてスタッフ絶賛のカレーを作るも、使った肉はお店のメイン肉料理に使うものでしたとか、とにかく酷かった。
シェフの二ツ橋さんを演じるのは、高嶋政伸。昔のドラマ「HOTEL」のときのような、温厚で優しい役柄。そんなの久しぶりに見た。オーナーの房子(原田美枝子)が暢子をクビにしようとする度に、この二ツ橋さんが庇ったり口添えしてくれる。画像に貼ったように、髪をおろしたまま料理をしていた暢子。あだ名にまでされた口癖「まさかやー!」は視聴者の台詞だ。
ドラマの中の世界では、暢子は今もこの「アッラ・フォンターナ」で働いている。
良子の結婚
前回は良子(川口春奈)をとても気の毒に思い、サイコパスかもしれなかったお母ちゃん(仲間由紀恵)にもっと良子に寄り添ってあげてほしかった…と思ったが、そうでもなくなった。
良子が勤めていた勤務先の学校にまでストーキングしてきていた、大金持ちの息子、喜納金吾との縁談が持ち上がる。
でも、良子は石川裕夫に恋をしていて…
裕福な喜納家に嫁げば、借金まみれの実家の助けにもなると悩む。
「良子は家事ができないから、仕事もしたいから」と母が働く共同売店に来た喜納金吾に言う。これに対する金吾の答えは現代の男性でもなかなか言えないんじゃないかと思うほど素晴らしい答えだった。
家事は家政婦さんを雇えばいい、
結婚後も仕事を続けて全然オッケー!
私だったら金吾と結婚する。
色々あって金吾との縁談を受け入れることになった良子は、詐欺師に騙された兄が以前めちゃくちゃにした川ちゃんハンバーガーショップで石川と話す。私を止めてよ〜ムーブ全開で、「私が打算のために結婚することを何とも思わないんですか?」とか言う。
石川は「それは君が決めること。自分の人生は自分で決めるべき。君の選択を祝福する」と言われ、思い通りの答えを得られなかった良子は帰る。石川は川ちゃんに心配されるほど酒をあおっていた。
喜納家、比嘉家顔合わせの日。
金吾の母は結婚後の新居には大きなテレビとか買いましょう!とか、やっと末娘が黒電話を引いたばかりの比嘉家で幸せそうに金持ちムーブ。
そこへ大昔の恋愛バラエティ番組のように、石川が「ちょっと待ったー!」とばかり登場。
石川「僕は長男で…家も古い考え方で、将来は家や墓を継いでいく立場で、つまり…つまり…つまり…」
つまり何回言うねん?
良子は「遅い!!ぽってかす!!」とかキレた後、「金吾さんと結婚できない、私は石川裕夫さんと結婚します」
高そうな指輪まで買っていた金吾は、ブチギレて暴れてもいいような場面で、つまりつまりbotみたいな石川に…
「良子さんを幸せにしてください。お願いします」と泣き笑いだが素晴らしい表情で頭を下げる。
私だったら金吾と結婚する。
その後さっさと結婚式をして気づいたら妊娠してて、視聴者時間で言えば翌週には離婚すると言い出した良子…ある意味すごい。そして、今にいたるまで裕夫とは別居婚。娘をつれて実家で暮らし、妊娠中に「先生の代わりはいても子供の母親はうちだけだから」とあっさり退職したものの、元職場に復職している。
娘の晴海は裕夫が自宅に連れて帰って面倒を見ていることもあるようだが、良子は小学校で仕事、お母ちゃんは共同売店で仕事…ということは、幼稚園から帰った晴海の世話をしているのは、体調不良で仕事を辞めた末っ子の歌子(上白石萌歌)だろうか。
良子の結婚話で沖縄がゴタゴタしていた頃、ヒロインの暢子は「負けたらクビ」で店のオーナーとペペロンチーノ対決やってた。どうでもよかった。
恋愛はちゅらさんのパクり
またも出てきた「ちゅらさん」の話。ちゅらさんのヒロイン恵里(国仲涼子)は、生まれ故郷の小浜島に来た文也(小橋賢児)との結婚の約束を誰にバカにされても信じていた。
その恵里と文也ですら、上京してからそんなにすぐには再会しなかったが、暢子と和彦(宮沢氷魚)は、房子オーナーに行かされた新聞社であっさり再会。沖縄を出てすぐに会っている。しかも、同じ下宿で暮らす。「まさかや〜」が便利過ぎて笑う。
文也と和彦に共通していたのは、ヒロインと再会した時点で恋人がいたこと。医師の文也には女医の遥(小西真奈美)が、新聞記者の和彦には同じく記者の愛(飯豊まゆみ)がいた。
恵里は幼い頃の約束を信じ、ずっと文也のことを想い続けていたため、一度自分から告白した。そのときは玉砕したものの、恵里が小浜島に傷心旅行に行ったと聞くと、文也は一緒にいた彼女の遥に「バカなことをしてみたいなぁ」と言い小浜島へ直行、恵里にプロポーズ。
それでも視聴者があの小浜島プロポーズシーンで感動できたのは、恵里の一途すぎる思いをずっと見てきたからだろう。また「文也と遥ってそんな親密に付き合ってるの??」という描かれ方で、恋人を恵里に譲った形となった遥の反応も何ともアッサリしたものだった。そして、遥は最終週まで登場し、体調に異変を感じた恵里を診察する役目まで果たした。
和彦と愛は婚約し、親との顔合わせも済ませ、式場の下見はどうするかという段階まで来ていた。愛は和彦が暢子を想う気持ちに気づきながらも「気づかないふりをしていた」と手紙に書き、和彦に慰謝料請求してもいいレベルの婚約破棄で恋人を暢子に譲る。
しかも暢子は愛本人に、
「うち、和彦くんが好き。でもきっぱり諦めるね!」と面と向かって言う。愛は和彦が暢子を好きだと気づいているので、気の毒すぎる。愛は仕事の出来を買われて別の新聞社に転職し、憧れていたパリでの勤務が決まったが、ぜひパリで幸せになってほしいと願わずにはいられない。
私は第一週で思ったよ…「あ〜東京から男の子来ちゃったよ、お前のことは俺が守ってやるとか言っちゃってるよ…これは結婚するんだろうな」と。
美しい海で、略奪逆プロポーズをかました暢子。そして次週予告に、今まで一度も出てこなかった和彦の母が登場。鈴木保奈美。なぜ???ここまで台詞の一言にも登場しなかった(はずの)和彦の母が、突然出てくる??
お母ちゃんの再婚話
鶴見の「ゆがふ」…じゃなかった「あまゆ」の前で、「智と結婚するんだろ?明日にはここ出て行くよ、え?断った、じゃあ出て行かんわ」とか和彦の謎話を聞いていたとき、暢子に実家から急用の電話がかかってくる。
良子&歌子「お母ちゃんが再婚するかも!」
暢子「えっ!うち今すぐ帰る!!」
ただでさえ、料理人が何人も辞めたアッラ・フォンターナを突然欠勤し、誰か危篤レベルに焦って沖縄へ帰った暢子。お金のない賢秀も連れて。
共同売店で一緒に働く善一さん(誰かの台詞の中でもう結婚したらしい早苗の父)とお母ちゃんに再婚話が持ち上がる。言い出したのは、子役時代に意地悪ポジで描かれたが正論しか言ってなかった賢吉おじさん。
そこから五日丸々描かれたのは、
何で今言うの?な過去話。
お父ちゃんとお母ちゃんの戦争体験、お母ちゃんの実家のことなど、四兄妹全員初耳。戦争のつらい記憶を語ることができない戦争体験者の方々は実際にいる。お母ちゃんもそうだったのだろうと察することはできる。
ただ、子供四人の誰一人として大人になるまで、お母ちゃんの生い立ちを何も知らないのは少々不自然。「触れてはいけない話」だった様子もない。
お父ちゃんが生きているうちに台詞で一言でも、「お母ちゃんには昔のことや家族のことを聞かないでほしい。お母ちゃんはとてもつらくなってしまうわけさ。いつか話すまで、待ってちょうだい」とかあればまだよかったかな。
両親や姉は今も見つかっていない、収容所で亡くした弟を忘れた日はない、賢秀によく似ていた(秀夫から名前を貰っているのだろう)、自分の子達には家族を亡くすような思いをさせたくなかったのにお父ちゃんの体調に気づいてあげられなかった…ごめんね、ごめんね…
再婚話は普通に断り、賢秀が先に帰り、暢子はオーナーで大叔母もある房子に「あなたは結婚も仕事も両方掴みなさい」と背中を押されて和彦に逆プロポーズ。
ちむどんどん名物、
全ては金曜日に一件落着。
いいように使われた、智
沖縄で暮らしていた頃から、暢子を想い続けていた智。暢子のためなら何でもやってくれた。食べ歩きに付き合う程度のことから、試作品の試食、「食材のズッキーニが足りない!」と暢子がピンチに陥ったときは、智は心身がボロボロになっても調達してきてくれた。沖縄から東京に来て、スナガワフードという会社を立ち上げ、アッラ・フォンターナの取引先にもなる。
暢子は智の自分への好意に全く気づかない。
いつの時代の男女も恋をしてきただろう。暢子は智が自分のためにしてくれたことをどう思っていたのか謎すぎる。
「同じ地元で育った友達だから」とナチュラルに思っていたなら色々超越してすごい。「智はいつも、どんなときも自分の手助けをしてくれる。もしかしたら智は自分のことが好きなのかも…」と1ミリも思わなかったとしたら、凄すぎる。
暢子本人に結婚の申し込みをする前に、鶴見の県人会メンバーや暢子の母に結婚話をしてしまうなど、少々暴走してしまった智だったが、「角力大会で優勝したら暢子にプロポーズする」と決意。
智のプロポーズはサプライズのはずだったが、暢子に知られてしまう。智の想いに本格的に気づいた暢子は、はぐらかし作戦に出て、智の渾身のプロポーズは当然断る。この時点で和彦への恋心を抱いていたので仕方ないとも言えるが、断り方がすごかった。
「これは友情だと思う、愛情じゃない。うちらが結婚してもうまくいくわけない。お店を持つ夢はうち自身が叶えないといけない。うちは嫌!智、わかって!!」
ここまで言える暢子、凄い。
良子と結婚しなかった喜納金吾のプロポーズも「そこまで言ってくれるなら結婚するわ」と即答してしまいそうだったが、智もなかなかのことを言った。沖縄にいた頃からずっと好きだった、我慢するしいつも暢子に合わせる。暢子の夢は俺が稼いで店を持たせて必ず叶えてやる…
暢子には、智の言葉に「智のことは大好き」「(和彦が好きなのかと問われて)料理に集中したい」などと言うが、つまるところ暢子的には、最初から私の結婚相手にあんたを考えたことは一度もない…ということだろう。
婚約者の愛に「うち、和彦君が好き」と言える人なら、智にも同じことを言えばよかったのに。そして…ネットニュースの記事にもなっていたが、東京でスナガワフードを経営するまでになった智の名前は、ちむどんどんのこれからの人物相関図で沖縄メンバーのところに書かれていた。
傷心の智は、会社を畳んで沖縄へ戻るのだろうか。今後の予想としていちばん自然なのは、小学生時代から智に想いを寄せていた歌子と結婚する…かな?
そろそろ終盤へ…
ちむどんどん公式サイトにはヒロインの暢子が「沖縄料理に夢をかける」とある。とりあえず14、15週で「自分の店をもつ」という目標ができ、結婚も事実上決まった。いくら鈴木保奈美が反対しても、ここまでドラマが進んで「結婚やめます」はない。
おそらく16週では和彦の母(役名は重子)とゴタゴタあって、金曜日には何となく落ち着いて、もう1週挟むかどうかくらいで結婚。ワープ(半年後とか一年後って出るやつ)を使ったりして、子供も生まれるかもしれない。
房子は電話で「結婚も仕事も両方掴みなさい」みたいなことを言っていたので、アッラ・フォンターナを寿退職することはなさそう。
早く沖縄料理のお店出そう?
結婚後の仕事、妊娠、出産、育児を描いてたらあっという間に半年の朝ドラは終わってしまう。
まあ、何かのタイミングで突然、
「うちがやりたかったのは、お父ちゃんとの思い出で、うちの故郷の味、沖縄料理のお店!」と覚醒して、朝ドラヒロインあるあるの周りがものすごい協力してくれて、無事開店するのだろうけど。
暢子はこれまでも、いざとなったら沖縄料理を取り入れてきた。房子とのペペロンチーノ対決ではソーミンチャンプルー、おでん屋台でイタリア風おでんはダメだと気づくと沖縄風のテビチ(豚足)を使ったおでん、新しいメイン料理を考えてきなさいと言われたときはイカスミジューシーからヒントを得てイカスミパスタを作っていた。
このイカスミパスタのときは、二ツ橋シェフは暢子に料理の見た目の重要さを教えていた。とにかく優しい二ツ橋は「料理は見た目だけじゃないんですね」とそっちかーい!!な展開がおもしろく、イカスミの風味って万人受けはしないし、「メインは…いくつか選択肢あるよね…銀座のレストランだもんね…?」とちょっと思った。
小さい頃から家族の食事を作ってきて、銀座のイタリアンレストランでも沖縄アレンジをしてきた暢子なら、沖縄料理のお店はパッと出すんじゃないかな。「お客さんが思ったより来ない…」みたいな悩みが描かれそうだけど。
新聞社に勤める和彦も、文化人類学者の父(故人)の志を継ぐべく、いつまでも新聞社で働くつもりはないみたいなことを言っていた。特に父は沖縄を研究していたこともあり、15週では暢子ら帰省のタイミングで沖縄取材に行っている。
(ちなみに、和彦を演じる宮沢氷魚さんのお父さんは、沖縄を愛して名曲「島唄」を作った宮沢和史さん。島唄が有名すぎるだけで、沖縄音階の曲は他にもいくつもある。)
夫婦(+子供)で沖縄に移住エンドもありそう。架空の村、山原村は共同売店以外マジで何もなさそうだし、暢子が食堂を開店すればよくない?両親はお母ちゃんの実家が那覇で経営してた食堂で出会ったと語られたことだし。
そうなればこれまた、ちゅらさんと同じになるけどね。東京で医師と看護師をしていた文也・恵里夫妻は恵里の生まれ故郷の小浜島へ移住。島で医療の仕事を始め、ラストシーンは家族三人で美しい海に水着姿で走っていった。
で、ついでに今ちゅらさんのWikipediaを見てきたら、第14週で小浜島プロポーズ、第15週では文也くんとお父さん(堺正章)の泡盛飲み比べやら何やらがあって、「結婚って言ってもお互いのこと知らないし、仕事で一人前になったら結婚する」という話になり、16週で多分一人前になったらしく、17週で結婚、20週で息子が生まれている。
ちゅらさんの頃は土曜日も放送があり、朝ドラは週6だったが、今は月曜から金曜までと週に1話減っている。文也との結婚前に看護師になって結婚した恵里よりもテンポが遅い暢子…最後らへん駆け足になるのかな?
見逃し配信がなかったら…
私はNHKプラスの見逃し配信で見てるけど、これがテレビ放送しかなかったら見てないな。もうここまで見てきたので離脱はしないだろうけど…
ちむは全然どんどんしない。
Twitterにタグをつけて暢子嫌い!!見ててイライラする!!とかアンチツイートをするほどでもないが、おそらくこのまま見て普通に忘れて「あー何か沖縄が舞台の朝ドラでちゅらさんじゃないのあったな」くらいになりそうな感じ。
そんな、お話。