眠れぬ夜のひとりごと。

タイトル通り、眠れない夜の暇潰しにやってます。半分寝てて誤字多いです。

ラン活もどきの思い出

現在幼稚園年長、来年小学校に入学する長女のランドセルを注文した。

 

まだ5月だったというのに、完売しているモデルもあるとかで、毎年毎年ランドセル販売開始時期は早くなっているらしい。そこでいつの間にやら生まれた『ラン活』という言葉。活というほどの活動は何もしていないが、一人目のランドセル選びの備忘録を書いておこうと思う。

 

最初に検討したのは、子供服のファミリアが販売するクラリーノのランドセル。ファミリアではよく服や小物を買うし、HPで詳細を見ても、痒いところに手の届きそうな、買って失敗するようなものには見えなかったので、

 

自分が悩むのが嫌なので

 

ファミリア一択で考えていた。

あれこれ見ると悩んで迷ってわけがわからなくなり、特大の選択ミスをするという経験は人生で何度もやっているので、『他は見ないに限る』と本気で思っていた。

 

買い物のついでにちょっと背負わせてみて、これでいいよね?みたいな。長女も私も淡いピンクが好きなのだが、汚れや飽きが気になるのと、ファミリアのランドセルはピンクは濃ピンク1種類、クラリーノだけだったので、もうそれでほぼ決定、ラン活はしない!と5月に入る頃まで本当にそのつもりだった。

 

長女はファミリアのランドセルを気に入っていないわけではなかったが、まずそれしか見ていないのと、元々少なめのカラーラインナップからピンクを選ぶとしたらこれかなぁ…というような感じだった。

 

でもその後やっぱり、SNSを見ていると、赤ちゃんの頃からの友人達が精力的にラン活をし、続々と『ラン活終了!』と書いているのを見ると、心に迷いが生じてきた。

 

私はカタログを取り寄せるでもなく、ランドセル展示会に行くでもなく、本当に何もしていなかったので、これで決めて後悔しないかな…?と思い始めた。何より、ファミリアしか見せず、『薄ピンクは汚れるから云々』と完全に誘導し、これは私が決めたことになるなーと。

 

暇なときにランドセル専門店のHPや、ランドセル素材の解説をしているサイトなどを

 

1時間ほど暇潰しがてら読んだ

 

だけが私のラン活だったが、それだけでも色々なことがわかった。素材のこと、6年使ったランドセルの画像、色々見て勉強できたと思う。

 

そんなときにふと目にしたのが、土屋鞄のランドセルだった。所謂、『工房系』のひとつとされる土屋鞄。正直、工房系はノーマークだった。そこまでランドセルにこだわりもなく、素材も別に何でもいいしどう違うのかも知らないし、買うのも何やら大変そうだし…と候補から除外していた。

 

ちなみに、土屋鞄が『全員が買える』としていたのは5月14日までだった。そして、私が土屋鞄のホームページを見ようとしたのはその翌日15日夜、おまけに在庫整理のため16日朝までサイトメンテナンス…という、

 

すごい縁のなさだった。

 

16日のメンテ明けはスマホからだと繋がりにくいほどだったが、丁度下の子のスイミングスクールに行っていたので、終わってから見たらすんなり繋がった。公式サイトは見られなかったが、イメージ検索やブログ、Instagramなどで見ていたので、メンテは特に痛くなかった。

 

私が一目見て気に入ったのは、『アトリエ』シリーズのピーチという色だった。アトリエの最大のポイントはランドセルのカブセ裏と学用品を入れる中側に描かれたオリジナルデザインなのだが、そんなのは別に気にならないほど、ランドセル本体そのものの色を気に入った。

 

よくラン活において、親と子の好みが割れて苦労したという話を聞くが、私と上の子は好きな色が同じ。

 

親子揃って第一にピンク、その他の色も優しいパステルカラー、ミルキーとかベビーとかそんな名前がつくような色が好きなのだ。が、これらの色のランドセルはどうしても汚れが目立ち、6年生になる頃には飽きているという話も聞くため、泣く泣く?除外していたのだった。

 

ところが、このアトリエ ピーチは落ち着いた薄ピンクで、少しベージュがかかったような、大人の小物にでも使えそうな色なのだ。私はこれを見て、土屋鞄へ実物を見に行くことにした。

 

ちょうど幼稚園の日曜参観の日で、夫と子供と私の三人で、土屋鞄童具店へ行くことになった。夫は行くのを面倒くさがり、『ファミリアでいいのでは』という意見だったが、上に書いたようにそれなら決めたのは私で、土屋でもどこでも、子供自身にたくさんのランドセルを見せてやりたいと主張した。

 

参観日の後でめちゃくちゃ疲れていたが、三人で焼肉ランチを食べて、土屋鞄のお店へ向かった。店に着くまで、私は子供に一切土屋鞄のホームページや画像を見せなかった。そしてお店まで歩く道すがら、

 

『今からランドセル屋さんに行くけど、必ずそこのお店で選んでってことじゃないからね。前に背負ってみたやつ(ファミリア)のほうがいいとか、今から行くとこに好きなのがなかったら、そう言っていい。見にきただけと思っていい』

 

みたいなことを話した。

 

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日曜日午後の土屋鞄童具店は、それなりに賑わっていたが、想像していたほどではなかった。最初から土屋と決めている人達は、5月14日の『売り切れを気にせず全員買える』期間までに見に来ているだろうし、その期限が終わって最初の休日だったということもあったと思う。

 

いろんなランドセルの中から、私が何も言わなくても長女が持ってきたものは、予想通りピンク。プレミアムカラーのラズベリーピンクと、アトリエのピーチを持ってきた。

 

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(背負っているほうがアトリエ、飾ってあるほうがプレミアムカラーのピンク)

 

店員さんが中を見せてくれたとき、長女の二択は一択に変わった。アトリエの内部デザインを一目見て気に入り、見事に私と同じものを気に入り、帰るまでその気持ちは変わらなかった。

 

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(この写真のみ、明るさを変えていない。実物にいちばん近いかな)

 

これは想定内のことだった。それに、私は長女がプレミアムのピンクを選んでいても文句はなかった。小鳥の絵柄のデザインを気に入ったか気にしなかったかだけが、母子の違いだった。

 

そして意外だったのが、行くのすら面倒臭がっていた夫の反応だった。私の予想では、店内にある椅子でスマホゲームでもやっているだろうと思っていた夫が、ずっとランドセル選びに積極的に関わり、

 

特に聞いてもいないのに

アトリエピーチの色の

自分的魅力を語り出す

 

など、もしかして私は別人でも連れてきたのか?と思うほどだったことだ。

 

教科書のサンプルを入れて背負わせてもらったときは、6年生が入れる目安分を夫が持ってみたり、ランドセルのロックのかけ方(土屋は自動ロック無し)を子供に教えたり、他の色を背負わせてみて再びピーチの良さを語り出したりとすっかりラン活パパだった。

 

私のほうが心配性で、ここまで親子三人の意見が一致したにも関わらず、帰りに駅近くの百貨店で再度ファミリアを見に行かなくてもいい?などと聞いたりしていたが、父子に却下された。夫は、俺は何を見てもこれ(アトリエ ピーチ)のほうがいいって絶対に言うなどと言いだし、子供はファミリアの公式サイトの画像や自分が背負ったときの画像を見て即却下していた。

 

こうして、ランドセルは決まった。

ラン活らしいことは何もしてないが、

普通に決まった。家族満場一致で。

誰がゴリ押しするでも悩むでもなく。

 

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アトリエピーチを背負ったり抱えたりしていた上の子は、普段はあまり見せない笑顔で嬉しそうにしていた。これが決め手だということにしている。この子は集合写真ではいつも真顔、幼稚園行事などで緊張すると不機嫌にも見える顔になり、普段も写真撮るから笑って〜などと言っても取ってつけたようなただ口角を上げているだけ、みたいな子。

 

笑顔らしい笑顔は、出し惜しみしているのかと思うほど、よほど嬉しいとか満足したときしか出ない、出せないのだ。その子が、満面の笑みを見せている。どんなにボロくなろうと、傷がつこうと、小学校生活の相棒になるランドセル。それを、私が迷うのが嫌だからなどという理由で、この笑顔なしに選んでいたらと思うと、今は少し怖いほどだ。

 

あれこれ背負ったり写真を撮ったり、ランドセルの隅々まで見て、さあ帰ろうかということに。店頭で注文してもオンラインで注文しても特に違いはないと言われたので、決まりはしたもののそのまま帰宅することになった。

 

帰りの電車の中、

 

『今日のこと、覚えていてね。

パパとママと焼肉食べて、

いっぱい歩いて、

ランドセル選びに行ったこと、

思い出にしようね』

 

子供は笑顔で頷いていたが、私がわざわざこんなことを言わなくても、この子は覚えていると思う。私もそうなのだが、上の子は日常のどうでもいいようなことをよく覚えているタイプなので、きっと覚えているだろう。

 

そして子供とは、入学して他の子のランドセルを見たり、高学年になって好みや流行りが変わったりすれば『私もああいうのがよかったー』と言い出すものだ。ずっとこれを今のテンションで気に入っていてほしいとは、特に思っていない。私達夫婦は全員選択の余地なく赤黒世代なので、色を選べただけでも羨ましい(笑)

 

帰宅後すぐ、少々ドキドキしながら、注文ボタンを押した。皆で気に入ったランドセルが我が家に届くのは、12月頃になるそうだ。

 

ちなみに、買わなかったファミリアのランドセルだが、決して土屋鞄に劣るとは思っていない。持ち手や自動ロック、反射鋲、ガバッと開くDカン付き内ポケットなど痒いところに手の届くというか、使い手のことをよく考えられたランドセルだと思う。

 

ただ、今回は使う本人と伏兵の夫までもが気に入った土屋鞄に決まった、ということで。

 

それにしても、ラン活もどきをしてみて改めて思ったのが、『選べる』というのも良し悪しというか、難しいものだな、ということである。

 

今は私の住む自治体は進学先の小学校、中学校はこれまでの住所による校区以外の学校も選べる選択制となり、昔は赤黒が当たり前だったランドセルも、道行く小学生を見ているとまるで色鉛筆のようなカラフルさ。幼稚園の指定用品は高いし注文も面倒臭いが、『これ』と決められているのはある意味でラクでもあるのだと思った。

 

『選んで』と言われると、楽しい面もあるが悩みや迷いが生じ、その選択が正しかったのかと後々まで考えてしまうような気がする。でもまあ、その時はその時なのだろう。

 

ラン活後日談というか、あべこべ話。

 

ランドセル注文後に土屋鞄のカタログが届き、進学する可能性のある小学校2校に電話をかけて、ランドセルに何を入れるのかなどを教えてもらった。何もかも逆だろう、と突っ込むしかない、私なのである。